2008年04月14日

少年兵


暖かな手の平など知らぬ
微笑み方など知らぬ

今この大地に鉄の雨が降る
黒く濁った空
抱えている鉄の塊は
指先の熱を奪っていく
引き金が、引けない

蒼い大地など知らぬ
晴れ渡る空など知らぬ

私は今生き延びねばならぬ
負けることは許されぬ
敗北と死は同義語である
神は存在しない
救いをもたらさぬ神は
存在するとはいえぬ

父など知らぬ
母など知らぬ
posted by 壱霞 at 16:36| Comment(0) | TrackBack(0) |

2008年04月13日

ゆがみ

嗚呼、視界が歪む

此処は水の底

嗚呼、音が歪む

此処は町の中

嗚呼、光が歪む

此処は戦場

嗚呼、世界が歪む


歪ませたのは

      だれ?
posted by 壱霞 at 15:39| Comment(0) | TrackBack(0) |

音が響くところを、「闇」と言う

握った拳の行き場は無くて

溢れ出るこの激情を留める術も無くて

満ち足りた愛はいつしか別の感情に代わって

無償の愛情などというものは

一体なんの役に立ちますか?

微温湯のようなこの場所では

私が崩れてしまいそうで恐ろしい



外へ

私の帰るべき闇へ返してください
posted by 壱霞 at 15:39| Comment(0) | TrackBack(0) |

2008年04月12日

うたかた

がぽり、ごぽり

水泡が浮かび上がる
遠い水面から光が差し込む
柔らかな光のヴェール
ゆらゆらとゆられながら
水底へと差し込む

かぽり、こぽり

水面に近づく
鮮やかな蒼

ひとつ、ふたつ
世界を映して

新たな世界へ
浮かび上がる
僅かな期待と
遥かな高揚感

かぽん、こぽん



泡沫はきえた
posted by 壱霞 at 14:36| Comment(0) | TrackBack(0) |

2008年04月11日

CRY,CRY,CRY...


真っ白の部屋を赤く染めて
今夕日が沈んでいく
耳を塞いで
眼を閉じて
今僕は世界から消える
僕が世界を閉ざすのだ

真っ白の部屋が真っ黒くなる頃
僕は世界を呼ぶだろう
ふりかえるのは、だれですか?
けれども僕は居ないのだ
僕は叫ぶ
僕を見て
僕に気付いて
鋭利な矛盾
拒絶した世界に
僕は叫ぶ

cry,cry,cry...
暗い闇に喰らいつかれて
僕は世界から切り離される

ふりかえったのは、だれだったのだろう?


*

GODLESS(明け方のおはなし)の対に、なるのかな?
夕方のおはなし。
posted by 壱霞 at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) |

2008年04月10日

やあい、くも、おまえはなにをかくしたのだ?


僅かな雲の隙間から
きららに光が零れ落ちる
雨上がりの淀んだ空に
金の光が差し込む

あの光は
遠くからしか
見ることはかなわない

真下から見上げ
見えるのは鈍色の空

金の光は
遠くからしか見れない

あの下には何もない
あの空には何もない
ここの場所には何があるのか
posted by 壱霞 at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) |

2008年04月09日

いつかまた響く僕の鈴

かしゃん、かしゃん
鈴の音が響く
蒼い空に高らかに
金色の光を撒いて
かしゃん、かしゃん
僕の影に響くよ
時々零れる光は眩しくて
かしゃ、ん、がらん
何時もより低い音をたてて
音が響かなくなった

いつから沈黙に慣れてしまったのだろう
藍色に淀む宵の空
銀の月が輝く


が、らん、がしゃん

かしゃん
posted by 壱霞 at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) |

2008年04月08日

壁越し、桜


ガラスをたどる水滴
滑らかにすべるそれは
僅かな軌跡を残して

窓の外の桜が見える
薄紅の花弁が
水滴を孕んで落ちて行く
じっとりと重く
嵐の風に揺られながら

窓を開ける
カタカタと
軽やかな音をたてて
風が室内に水滴を運び
床に転々と水滴が転がる

水滴を孕んだ風が
頬にぶつかる
あと少し
私は咲き誇る桜になる
posted by 壱霞 at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) |

遠き親友に


背中合わせで笑ってた日
これからもずっとと迷いなく言えたころ
他愛もない言葉に喜んで
まっすぐに夢を追いかけられたとき
今ではもう
まっすぐ夢を終えるほど純粋でもなく
それでもいいと割り切れるほど大人でもなく
まだふわふわと漂うことしかできなくて

ねぇ
君は何かをつかめましたか
いつも君の手を引いていた日
夕日に照らされて赤く染まった頬
柔らかな思い出

ガラス越しにしか見ることができなくなった夢
手を伸ばして爪を立てても触れる事は叶わず
近いはずのそれはあまりに遠かった

ねぇ
君は何をつかみましたか
近いと思っていたのに
いつの間にか遠くなってしまっていたね
posted by 壱霞 at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) |

2008年04月07日

篝火

ちろり、炎の舌が揺れる
何もかも嘗め尽くし
自らの破滅を招くかのように燃え上がる
不規則に揺れる影
安定などの言葉は程遠く
何をそんなに急ぐのか
赤く赤く
その身を焦がして
ぎらぎらと輝く
その輝きから感じられるのは
鋭さや、果てない孤独感だけではなく
それすらも打ち砕く強さ

ちらり、影が揺れる
鮮やかな輪郭を落とす影
それさえも焼き尽くそうとするかの如く
大地ごと赤く染め上げる

強い輝きに人は心惹かれるけれど
あまりに強すぎるそれは
自らすら焼き尽くしてしまった
posted by 壱霞 at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) |